おかあさんといっしょ「トライ」の真相と魅力!ちかお姉さんの名曲全貌
NHKの長寿幼児番組『おかあさんといっしょ』において、1990年代を彩った伝説的な身体表現コーナー「トライ!トライ!トライ!」。当時テレビの前で夢中になって手足を動かしていた世代が親となり、2020年代半ばを迎えた今、SNSや動画配信をきっかけに「あのリズミカルで軽快な体操は何だったのか?」「歌っていたのは誰?」と再び熱い視線が注がれています。
番組65周年という大きな節目を経て、歴代の身体表現や体操コーナーの歴史を振り返るアーカイブ特番が話題を呼ぶ中、当時の記憶と断片的な情報がネット上で入り混じり、誤解や疑問を抱く人も少なくありません。本稿では、当時の放送データ、関係者の証言、音楽・舞踊教育の観点から、この名コーナーの全貌とネット上に漂う噂の真偽を徹底検証します。
📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
- 要点1:「トライ!トライ!トライ!」は1994年4月から1999年4月まで放送された、第2代身体表現のお姉さん・松野ちかによる体験型体操コーナーである。
- 要点2:「月の歌」ではなく番組後半の常設身体表現コーナーであり、新体操の要素を幼児向けにアレンジした先進的なアプローチが特徴だった。
- 要点3:速水けんたろう・茂森あゆみ・佐藤弘道と共に黄金期を築き、親世代となった現代の視聴者の間でも知育的価値が再評価されている。
【徹底解剖】『おかあさんといっしょ』の「トライ!トライ!トライ!」とは?楽曲と振付の魅力
ネット検索で「おかあさんといっしょ トライ 曲名」や「歌詞」を探すユーザーの多くが突き当たるのが、この楽曲が単なる劇中歌なのか、それとも独立したコーナーだったのかという疑問です。「トライ!トライ!トライ!」は、前任の馮智英(フォン・チーエ)さんが13年間にわたって務めた静的なヨガベースの身体表現「ハイ・ポーズ」の後継として、1994年4月4日の放送回からスタートした身体表現コーナーでした。
担当したのは、洗足学園大学(現・洗足学園音楽大学)で新体操を専攻し、卓越した柔軟性と表現力を誇っていた松野ちか(ちかお姉さん)です。作詞を手掛けたのは冬杜花代子氏、作曲は『ドレミファ・どーなっつ!』の劇伴やスタジオジブリ作品のオーケストレーションでも知られる名匠・乾裕樹氏。この一流クリエイター陣によって生み出された楽曲は、8ビートの弾むようなポップサウンドと、子どもたちの冒険心をくすぐるリズミカルな歌詞で構成されています。
歌詞には「あたまを トライ!」「てを トライ!」といった身体の各部位を意識させるフレーズが散りばめられ、子どもたちが無意識のうちに自分の身体の軸やバランスを認識できるよう計算されていました。振付のダンスは、新体操のリボンやボールを想起させる円運動、手首のスナップ、ジャンプなどがテンポよく組み合わされており、前番組「ハイ・ポーズ」の静かで内省的な身体感覚から一転、「自発的な運動への挑戦(=トライ)」を前面に押し出したダイナミックな変革をもたらしました。
【元ネタと誕生背景】なぜ「トライ」だったのか?新体操を取り入れた革新性
このコーナーの元ネタや企画背景を探ると、当時の番組制作陣が抱いていた強い問題意識が浮かび上がってきます。1990年代初頭、日本社会では都市化の進展や生活様式の変化に伴い、幼児の運動能力低下や身体感覚の未発達が教育現場で指摘され始めていました。
文部科学省(当時・文部省)の体力・運動能力調査でも幼児期の運動多様性の重要性が議論される中、番組チーフプロデューサーをはじめとするスタッフ陣は、日常の遊びの中で子どもたちが自然と敏捷性や平衡感覚を養える新しい身体表現の形を模索していました。そこで白羽の矢が立ったのが、女子新体操の選手として高い実績を持っていた松野ちかさんでした。
従来の「体操(体操のお兄さんによる全体運動)」が筋力や持久力、集団での同調性を重んじる傾向にあったのに対し、「トライ!トライ!トライ!」は個々の表現力としなやかな柔軟性、リズムに乗る心地よさを引き出すことを主眼に設計されました。新体操特有の「空間を広く使うステップ」や「指先まで意識を行き届かせる所作」を、幼児が真似しやすいキャッチーな身振りに落とし込んだ点こそが、このコーナーの歴史的革新性だったといえます。
歴代キャストと放送データ|うたのお兄さん・お姉さんとの黄金期
「トライ!トライ!トライ!」が放送された1994年から1999年は、『おかあさんといっしょ』の歴史上でも屈指の視聴率と人気を誇った時代です。うたのお兄さんは第8代の速水けんたろう(けんたろうお兄さん)、うたのお姉さんは第17代の茂森あゆみ(あゆみお姉さん)、そして体操のお兄さんは第10代の佐藤弘道(ひろみちお兄さん)という、いわゆる「黄金カルテット」体制でした。
同時代に佐藤弘道お兄さんが担当した体操「あ・い・うー」がスタジオの子どもたち全員を巻き込む大型サーキット運動だったのに対し、松野ちかお姉さんの「トライ!トライ!トライ!」は少人数でスタジオ中央に集まり、お姉さんとマンツーマンに近い距離感で身体を動かす濃密な構成が取られていました。この2つのコーナーが前後に配置されることで、番組全体にダイナミックなメリハリが生まれていたのです。
歴代の身体表現コーナーの変遷と特徴を以下の比較表に整理しました。
| コーナー名(担当者) | 放送期間・主要データ | 表現テーマと運動要素 | 教育的アプローチ・特徴 |
|---|---|---|---|
| ハイ・ポーズ (馮智英) | 1981年4月〜1994年4月 (約13年間) | ヨガ、太極拳、パントマイム、静止ポーズ | 静寂と集中の育成。身体の各部位を静止させる内的な自己統制。 |
| トライ!トライ!トライ! (松野ちか) | 1994年4月〜1999年4月 (5年間) | 新体操の基礎、リズミカルな跳躍、空間移動 | 挑戦意欲(トライ)と柔軟性。ポップ音楽に合わせた協調運動。 |
| デ・ポン! (タリキヨコ) | 1999年4月〜2005年4月 (6年間) | バリ舞踊、民族舞踊、手のサイン表現 | 異文化リズムへの適応。手指の微細運動(ファインモータースキル)。 |
| ゴッチャ! (いとうまゆ) | 2005年4月〜2012年3月 (7年間) | ジャズダンス、ストリートダンス、動物擬態 | ビート感覚の習得。即興性と全身を使った感情解放。 |
| パント! (上原りさ) | 2012年4月〜2019年3月 (7年間) | パントマイム、見立て遊び、日常動作 | 想像力と空間把握。存在しない物を知覚する認知発達の促進。 |
春と秋にNHKホールで開催されるファミリーコンサートでも、「トライ!トライ!トライ!」は定番の目玉演目として扱われました。けんたろうお兄さんやあゆみお姉さんが生歌でコーラスを添え、広いステージをちかお姉さんが華麗な側転やリボンの舞で駆け巡るシーンは、会場の親子連れを大いに沸かせた記録が当時のパンフレットや映像資料に残されています。
映像ソフトとしては、当時ポニーキャニオンより発売されたVHS『NHKおかあさんといっしょ あ・い・うー&トライ!トライ!トライ!』にノーカット収録され、家庭用ビデオテープが擦り切れるほど再生された家庭も少なくありません。のちにメモリアルベストDVD等にもその姿が一部復刻されています。

噂の真偽を徹底検証|ネットの誤解と知られざる舞台裏
ネット上のQ&Aサイトや掲示板では、「おかあさんといっしょ トライ 噂の真相」に関する様々な言説が散見されます。記者が当時の番組編成記録および関係者への取材網を通じて検証したところ、主に3つの典型的な誤解が存在することが判明しました。
真相1:「月の歌」と混同されている理由
「トライ!トライ!トライ!は何年何月の『今月の歌』だったのか?」という疑問を抱く人が後を絶ちません。しかし結論から言えば、この楽曲は「月の歌」に選定された事実はありません。番組内のレギュラー帯コーナー(身体表現)のテーマ曲として通年で毎朝放送されていたため、視聴者の記憶に「歌のクリップ」として強烈に刷り込まれ、後年のベストアルバム等にも収録されたことから、代表的な月の歌群と記憶が混交したものと見られます。
真相2:突然の降板や怪我による終了という噂の嘘
インターネットの一部では「難易度が高すぎて子どもが怪我をしたため打ち切られた」「ちかお姉さんの体調不良で終了した」といった根拠のない噂が語られることがあります。しかしこれは明白な誤りです。松野ちかさんは1994年4月の就任から1999年3月(放送上は4月3日)まで、丸5年間(満期)にわたり一度の休演もなく役割を全うしました。
しかも卒業のタイミングは、社会現象となった「だんご3兄弟」の大ヒット直後であり、速水けんたろうお兄さん、茂森あゆみお姉さんと揃っての同時卒業でした。番組史上に残る華々しいフィナーレであり、トラブルによる打ち切りなどでは一切ありません。
真相3:「振付が難しすぎて子どもが踊れなかった」という説の真実
新体操をベースにした振付に対して「当時の子どもには難易度が高すぎたのではないか」という指摘も存在します。確かに、馮智英さんの「ハイ・ポーズ」や後年の「パント!」に比べると、ステップの移動幅が大きく、リズムの取り方も軽快です。しかし現場では、完璧に振付をトレースすることではなく、「お姉さんの真似をして思い切り身体を動かす快感」が最重要視されていました。収録現場の子どもたちが楽しそうに笑顔で飛び跳ねる姿こそが、このコーナーの狙いが十全に達成されていた証拠です。
【現場検証】SNS上で再燃する反響と令和の親子が熱中する理由
2024年の『おかあさんといっしょ』放送65周年記念期間以降、X(旧Twitter)やInstagram、YouTubeなどのプラットフォーム上で「トライトライトライ」関連の投稿が急増しました。特に目立つのは、現在30代前後の子育て世代によるリアルな声です。
Instagramのリール動画や育児ブログでは、「自分が子どもの頃に夢中だったトライ!トライ!トライ!の映像を子どもに見せたら、栗のポーズ(※歌詞中のポーズ)が気に入って何度もリピートしている」「令和の『からだ☆ダンダン』とはまた違った上品さと躍動感があって、2歳児がノリノリで踊り出した」といった投稿が相次いでいます。児童館や民間のリトミック教室でも、親世代のインストラクターが当時の動きを取り入れる例が見られます。
さらに、初代うたのお姉さん系シンガーとして知られる山野さと子さんが自身のSNSで松野ちかさんとの交流動画を投稿した際にも、「ちかお姉さん、まったく変わらない美しさとキレ!」「あの頃の朝の風景が一瞬で蘇った」と数百件の共感コメントが寄せられました。単なる過去のノスタルジーにとどまらず、世代を超えて子どもの身体を自然に動かしてしまう普遍的な身体的魅力が再確認されています。
【専門分析】幼児の発達心理学と身体表現|色褪せない知育の力
なぜ「トライ!トライ!トライ!」は、30年以上が経過した今もなお色褪せず、人々の運動記憶に強く残り続けているのでしょうか。幼児教育学および発達心理学の視点から分析すると、明確な構造的要因が見えてきます。
心理学における「アフォーダンス理論(環境が個体に特定の行動を引き出す性質)」に照らし合わせると、この楽曲の拍動と松野ちかさんの動きは、子どもにとって「思わずジャンプしたくなる」「腕を大きく回したくなる」という身体的誘因(アフォーダンス)に満ちています。ただ指示されて動くのではなく、音楽のビートと弾ける笑顔の視覚情報が、幼児の粗大運動(全身を使うダイナミックな動き)のスイッチを自然に押す仕掛けになっていたのです。
また、教育社会学的に見れば、タイトルにある「トライ(Try)」という言葉自体が、子どもにとって極めて健全な「自己効力感(自分ならできるという感覚)」を育む心理的仕掛けでした。失敗を恐れず、できたかどうかの結果よりも「身体を動かしてみたこと自体」を肯定する演出方針が、当時の子どもたちの自立心を力強く支えていたと評価できます。
【プロの結論】幼児期の身体表現遊びを取り入れる親へのアドバイス
現代の家庭教育において、YouTubeやサブスクリプションで過去の身体表現コンテンツを子どもに見せる家庭が増えています。専門家の視点から、この「トライ!トライ!トライ!」のような全身運動系コンテンツが適しているケースと、慎重に見守るべきケースの判断基準を提示します。
- 向いているケース:
- 室内遊びが中心になりがちで、日頃のエネルギー発散や運動量が不足している幼児。
- 音楽に合わせて身体を揺らすことが好きで、リズム感や手足の協調運動を楽しく伸ばしたい時期(2歳〜5歳頃)。
- 慎重になるべき・工夫が必要なケース:
- 「お姉さんと同じように綺麗に踊りなさい」と親が完成度を求めてしまう環境(子どもの自発的な挑戦意欲を削ぎ、心理的プレッシャーを与えてしまいます)。
- フローリングなど滑りやすい床環境(ジャンプやステップが多いため、ジョイントマットを敷くなどの安全確保が不可欠です)。
【トライ トライ トライ おかあさん と いっしょ】に関するよくある質問(FAQ)
Q1:コーナーの正式な曲名や作詞・作曲者は誰ですか?
A1:正式なコーナー名・曲名は『トライ!トライ!トライ!』です。作詞は冬杜花代子氏、作曲・編曲は乾裕樹氏が手掛けました。松野ちかお姉さんの身体表現コーナー専用のオリジナル楽曲として制作されました。
Q2:当時の映像や音楽は、現在CDやDVD、配信で視聴できますか?
A2:当時発売されたVHS『NHKおかあさんといっしょ あ・い・うー&トライ!トライ!トライ!』のほか、歴代の名場面を集めた記念DVDやベスト盤CDに一部収録されています。現在の主要音楽ストリーミングサービスでは未配信の音源も多いため、NHKのアーカイブ特番や図書館等の公式映像資料、中古市場の正規パッケージが主な鑑賞手段となっています。
Q3:ちかお姉さん(松野ちかさん)は卒業後、どのような活動をされていますか?
A3:1999年の番組卒業後は、舞台出演や子ども向けイベント、体操・ダンス指導の講師として活躍されました。カルチャースクール等で新体操や幼児リトミックの普及に尽力し、近年でも親交の深い歌手や共演者のSNSなどに元気な姿を見せてファンを喜ばせています。
Q4:体操の「あ・い・うー」とは何が違っていたのですか?
A4:「あ・い・うー」は佐藤弘道お兄さんが担当した番組全体のメイン体操であり、出演児童全員が参加するサーキット型運動でした。一方の「トライ!トライ!トライ!」は、少人数の子どもたちと松野ちかお姉さんがリズミカルに身体を動かす「身体表現(身体遊び)」のコーナーであり、番組構成上の役割が明確に分かれていました。
まとめ:世代を超えて受け継がれる挑戦心と身体遊びの原点
『おかあさんといっしょ』の歴史の中で、1994年から1999年まで駆け抜けた「トライ!トライ!トライ!」。それは新体操という高度な身体文化を、幼児の純粋な「動きたい!」という衝動へ見事に翻訳した、稀代の傑作コーナーでした。
速水けんたろうお兄さん、茂森あゆみお姉さん、佐藤弘道お兄さんという豪華な布陣とともに築かれた5年間は、単なる懐かしの思い出にとどまらず、現代の親子にとっても「身体を動かすことの根源的な喜び」を教えてくれる貴重な知育の財産です。画面の向こうから放たれていたちかお姉さんの明るい掛け声は、時代が移り変わっても色褪せることなく、新しい何かに一歩を踏み出す子どもたちの背中を今も温かく押し続けています。 (出典: トライ トライ トライ おかあさん と いっしょ(Yahoo!ニュース))